育児の勉強 仲間と楽しく

熊本県が、子育てのコツを楽しく学ぶ事業「くまもと親の学びプログラム」を進めている。すでに約200回が実施され、約8000人が参加する盛況ぶりだ。

 このプログラムは、乳幼児や小学生をもつ親を対象に、昨春から始まった。住民同士のつながりが薄れる中、子育ての悩みを誰にも相談できず、孤立化するのを防ぐことが狙いだ。1回約1時間で、小学校のPTA行事や幼稚園の授業参観などに合わせて開かれている。

 県教委職員や民間の子育て支援サークルの会員が進行役を務める。参加者は小グループに分かれ、「上手なほめ方、しかり方」や「子どもの反抗期」について体験談を交わしたり、簡単なゲームを楽しみながら自分の育児を振り返ったりと、内容は様々だ。

 宇城(うき)市の宮川地区公民館で開かれたプログラムでは、小学生を育てる母親9人が「育児すごろく」に取り組んだ。

 藤本真由美さん(40)がサイコロを振ってコマを進めると、「子どもの良いところを言う」と書かれたマス目に止まり、しばし沈黙。堀内克紀・県宇城教育事務所社会教育主事(49)から「気楽に考えて」とアドバイスされ、「悪いところはすぐに浮かぶけど……」と答えると、周囲から爆笑が起きた。

 藤本さんは「子育てに悩んでいるのは自分だけじゃないと気が楽になった」と笑顔を見せた。

 子育ては「親育て」から。石川仙太郎・県教委社会教育課長(33)は、「今年度中に中高生の親を対象にしたプログラムを作りたい」と意気込んでいる。

(2011.4.28 読売新聞から転載)