子どもにケータイ与える前に…… 注意点は?

もうすぐ新学期。携帯電話(ケータイ)のフィルタリングをどう活用するかについては先の記事で取り上げたばかりですが、これまでの記事などを基に、もう一度、ケータイをお子さんに買い与える際の注意点についてまとめてみましょう。

ケータイは、塾や習い事などに通ったり、部活動で遅くなったりする子どもと、いつでも連絡が取ることができ、安心・安全のためにも欠かせないツールとなりつつあります。しかし、今やケータイは電話機能だけでなく、インターネット接続機能が標準装備となっています。……当たり前じゃないか、と思うでしょうね。保護者の方々にとっても、よく使う機能としては、電子メールのやりとりのほうが多くなっていることでしょう。でも、ケータイ「電話」を買い与える前に、まず、「他人からは見えにくいインターネット接続機器」を子どもに与えることが適当かどうか、立ち止まって考える必要があるでしょう。そのうえで、最初は電話機能だけ、あるいは、電話とメールに限ったものを与える、という選択肢があることも忘れてはいけません。

さて、そのうえで、インターネット機能についてです。現在は事業者に対して、18歳未満の子どもにケータイを販売する際、保護者の申し出がない限り、有害情報への接続をブロックする「フィルタリング」の機能をつけるよう、法律で義務付けられています。

ところが、警察庁が昨年12月に行った≪覆面調査≫ によると、ケータイ販売店の4割が、説明が不十分だったり、説明に熱意がなかったりして、改善が必要だったことがわかりました。資料では、年齢確認をしていなかったり、「つけないほうが良い」とすすめたりするなど明らかに問題のある事例のほか、「フィルタリングサービスに加入すると、お友達のブログを見ることが一切できません」「ゲームサイトをするなら、自由にやらせるか、何もできなくするかの二者択一」といった、不十分な説明の仕方しかしてくれないケースさえあります。むしろ、それぞれの機器やサービスの特性に応じて、どうすれば安全に利用できるのか、説明を求めていくような積極的な姿勢も求められるでしょう。

4月からは小学校などでも、本格的に「情報モラル教育」が展開されます。しかし、何といっても、子どもを守るのは、保護者の責任です。常に保護者の目で子どもを守る、「ペアレンタルコントロール」(保護者による制限)が不可欠なのです。そのためには、まず、保護者自身が、知識を持っておくことが必要です。

そうは言っても、一人では限界があることも確かです。だからこそ、PTAの出番ではないでしょうか。そもそもPTA(Parent-Teacher Association)は、保護者と教師が共に学び合う「社会教育団体」です。子どものケータイ問題は、まさにPTAの学習テーマとして最適でしょう。保護者・学校・事業者・各種団体など、関係者が一致協力して子どもを守っていきたいものです。

<参考>2010年中の出会い系サイト等に起因する事犯の検挙状況(警察庁)

(提供:Benesse教育情報サイト)